どんな救いが待っているのか

【観世音菩薩の救いを受けるための方法】

 観世音菩薩の救いを受けるための方法は、一般的には非常に簡略化されている。

 

 たとえば、お寺に行き、「観世音菩薩様、お護りくださいお導きください」と祈れば、どんな苦しみでも救ってくれるとされている。

 

 ただし、これも祈る人の信仰心がどれだけ深いかということが問題であろう。

 

 信仰心がまるでなくて祈っても、効果はないと見たほうがいい。

 

 やはりまず、救いを信じることが重要なのである。

 

 では、観世音菩薩の救いは具体的にはどんな風になっているのだろうか。

 

 その身は三三身といわれていて、三三の姿に変わって、その場その場で臨機応変に対処してくれるということになっているが、法華経の第二五章には次のように書かれている。

 

「観音妙智の力、能く世間の苦を救う。

 

 神通力を具足し、広く智慧の方便を修して、十方の諸々“妙智”とは、すばらしい知恵の力をさす。

 

 そして、神通力でもって、この知恵の力をあらゆるところに現出させ、人々を救うというものである。

 

 そして、次のように続く。

 

「種々の諸々の悪趣、地獄・鬼・畜生、生・老・病・死の苦、以って漸く悉く滅せしむ」

 

 嫉妬、欲、無知などの状態に陥っている人を救済し、生・老・病・死といったあらゆる人生苦を除いてくれるというのである。

 

 また、次のような記述もある。

 

甘露の法雨を澎ぎ、煩悩を滅除す・・・・彼の観音の力を念ぜば、衆の怨悉く退散せん」

 

 つまり、観世音菩薩は救いの雨を降らせて、人々の煩悩の炎を消してくれる。

 

 ということは、たとえその人の直面している難関が大きなものでも小さなものでも、救ってくれるということである。